アイビーリーグの「金融界のスイス」― ダートマス大学のエンダウメント
ポートフォリオ構築、投資ペーシング、ガバナンスが生んだ堅牢な“スイス型”モデル ― 他大学がここから得られる教訓とは。
米誌『New Yorker』に掲載された記事「How Dartmouth Became the Ivy League’s Switzerland(ダートマス大学はいかにしてアイビーリーグの“スイス”になったのか)」では、ダートマス大学が(少なくとも現時点では)他のアイビーリーグのようにワシントンから標的にされていない理由として、同大学が「中立性」と「プロセス重視の対話」を掲げてきた点が挙げられています。
具体的には、2025年4月、シアン・ベイロック学長が「連邦政府による大学への過度な介入」に反対する公開書簡に署名せず(他のアイビーリーグの学長は全員署名)、その理由として、「定型文(form letter)に署名するよりも大学として行動と内省に焦点を当てるべきだ」と説明しています。
このように集団的な声明を避け中立姿勢を保つことで、ダートマス大学は他校が直面したような政府制裁を回避してきたと同誌は指摘しています。この方針は、表現の自由を擁護する立場からは称賛を受ける一方で、「現実離れした理想論」あるいは「暗黙の迎合」と批判する声もあります。
こうした見方には一理ありますが、我々の分析では、ベイロック学長が独自の立場を貫ける背景やダートマス大学が政府からの影響を受けにくい真の理由は、同校の極めて堅固な財務基盤にあると考えています。
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