米国名門大学のエンダウメント運用に迫る資金圧力──政府資金と流動性の新たな構図

連邦資金の削減は、米国の名門大学に重大な財政的圧力をもたらす可能性があります。このような資金途絶に対する大学の耐性を左右する主な要因の一つが、エンダウメントの流動性です。

最近、プリンストン大学が新たに財政的な圧力に直面する名門大学のひとつとなりました。これは、トランプ政権が反ユダヤ主義に関する政策の強化を進める中での動きです。こうした取り組みの一環として、米国政府はプリンストン大学に対する数十件の研究助成金を凍結し、同様の措置はコロンビア大学やハーバード大学にも適用されました。さらに、ペンシルベニア大学(UPenn)については、政権が掲げる「男子の女子スポーツ参加禁止」に大学側が従わなかったことを理由に、1億7,500万ドルの資金提供が停止されました。

連邦資金の削減は、大学にとって深刻な財政的負担となる可能性があります。ただし、政府資金への依存度は大学によって異なります。こうした資金の途絶に対する大学の耐性を左右する主な要因のひとつが、エンダウメントの流動性です。これまでの年月を通じて、アイビーリーグのエンダウメントは資産の多くを流動性の低いプライベート・エクイティ投資に配分するようになってきました。MPI Transparency Labによれば、プライベート・エクイティの保有比率は現在、運用資産全体の約37%を占めており、定量的に測定した場合には、同資産クラスに対するエクスポージャーの割合はそれをさらに上回ります。

この問題に拍車をかけているのが、名門大学がすでにプライベート・エクイティのキャピタルコールに対応するため、現金確保に奔走する中で、深刻な流動性圧力に直面しているという現状です。ちょうど1年前、プリンストン大学のPINCO CIOであるアンドリュー・ゴールデン氏は、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、「プライベート・エクイティにおける流動性環境としてはこれまでで最悪だ」と語っていました。こうした状況において、政府資金の削減や凍結が導入されることは、さらに問題を悪化させることになります。なぜなら、政府助成金の60〜70%は、通常、大学キャンパス内の間接経費(オーバーヘッド)を賄うために使用されているからです。

どのエンダウメントが連邦資金の途絶に対して最も脆弱かをより明確に把握するために、我々は2023年度の流動性に関するリサーチを拡張しました。資金面での脆弱性とエンダウメントの規模との関係は、単純な相関にはなりません。大学のエンダウメントの総額だけでなく、他にも多くの要因が影響しているからです。



※こちらは一部公開記事です。続きをご覧になりたい方は、以下の「新規会員登録はこちら」からご登録ください。会員の方はログインの上、ご覧ください。

会員の方はこちら

CAPTCHA