ペンシルバニア大学基金の2022年度はゼロリターン:バランスをとるための両立策

昨年、2021年度のアイビーリーグの運用報告は、ペンシルバニア大学の大学基金の41.1%のリターンの発表からスタートし、他の大学基金でも多少の差はあるものの、プライベートエクイティとベンチャーキャピタルの強力なリターンに牽引された歴史的なリターンを記録しました。

今年もペンシルバニア大学はアイビーリーグの中で最初に運用報告を発表しましたが、1年でどれほどの違いが生じるでしょう。ペンシルバニア大学は2022年度のリターンが0%であると報告しており、初期の兆候としては、プライベートエクイティ、天然資源、不動産に引き続き注力したことで、すでに報告されている他の大学基金のようなマイナスリターンから救われたことが示されています (例えば2022年度のダートマス大学基金は -3.1%)。

これは我々のリサーチのフォロワーを驚かせるものではありませんが、今年8月にはアイビーリーグの平均損失を -2.9%と予想し、2022年度決算では「実物資産にオーバーウェイトした大学基金だけが有利になる」と予測しました。

では、ペンシルバニア大学がこのように完璧にバランスの取れた結果になったのはなぜでしょうか? 大学基金は今年のリターンの源泉について沈黙しているので、特にポジションを把握するのが難しい(または把握することが不可能な)場合、何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを理解するために、我々のクライアントが使用する方法に目を向けることにします。当社のMPIスタイラスプロプラットフォームと大学基金が公開している年次リターンを入力して使用することで、ペンシルバニア大学の動きをうまく反映するアセットベースの動的複製ポートフォリオを作成することができます。下のチャートでは、昨年の傾向が続いていることがわかります:つまり、Equity Hedge Fundsとパブリックエクイティを減らしてPrivate Equityへのエクスポージャが拡大しています。

上のチャートは、数十個のマネージャの個別の寄与度が相殺され打ち消された結果で、大学基金のアセットアロケーションのプロキシ(代替)として見ることができます。それを念頭に置いて、ペンシルバニア大学のアセットクラスのパフォーマンス寄与度の推定が以下のようになり、上記のリターンドライバーを反映したものとなります。当然のことながら、ペンシルバニア大学は今年株式からの恩恵をほとんど受けられず、Equity Hedge Fundsは特に痛烈なドローダウンをもたらしました。これは、Equity Hedge Fundsがパフォーマンス寄与度第2位だった昨年度から一転して、パフォーマンス貢献度が逆転しました。

興味深いのは、今年度のプライベートアセット (Private Equity、Real Estate、Natural Resources) の約5%とパブリックアセット(株式およびヘッジファンド) の推定損失が見事にバランスし、その結果0%のリターンとなったことです。以下に詳細を示すように、Equity Hedge Fundsが -2.84%と最もパフォーマンスの足を引っ張り、Private Equityは 2.67%と最もプラスに寄与したと推定しています。

ペンシルバニア大学はゼロリターンになりましたが、その他の大学基金でも多かれ少なかれプライベートのプラス寄与とパブリックのマイナス寄与となると予想しています。今後、大学基金の運用報告シーズンが始まりますので、引き続き初期の見解と洞察をお届けします。乞うご期待!

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