ペンシルバニア大学基金が大きな勝利…アセットアロケーションで

大学基金のパフォーマンスレポートが公表されてきているので、MPIでは、継続的に行っている最大で最も重要な米国大学基金のいくつかを分析していきます。

最初はペンシルベニア大学で、パフォーマンスを報告した最初のアイビーリーグ校です。205億ドルの大学基金は、プライベートエクイティとベンチャーキャピタルの大幅なリターンにより、2021年度は41.1%のリターンであったと公表しました。これは、コンポジットベンチマーク(構成は非公開)を3.1%アウトパフォーマンスしたことを表しています。

我々のリサーチチームはこれらの大学基金のパフォーマンスとリスク要因を調査するのに多くの課題に直面しました。第一に、年次リターンしか公表されない中、アナリストが従来の静的およびローリングウィンドウ回帰法で意味のある結果を生成するにはリターン期間が少なすぎます。第二に、アセットクラスとプロキシの定義は、特にオルタナティブに関しては、大学間で大きく異なります。これは、ほとんどのアイビーリーグ大学基金のポートフォリオの注目点です。そして、公表されたアロケーションだけでは、分析結果を比較するための共通のフレームワークを確立することが困難です。

ここで、投資ポートフォリオのパフォーマンス要因を説明および比較する為の「共通点」を確立するファクターモデリングが重要な役割を果たします。我々の動的スタイル分析(DSA)モデルを使用して、2005年以降の年次リターンを基にペンシルベニア大学基金ポートフォリオの年次リターンを予測的に模倣する投資ベンチマークのダイナミックポートフォリオの作成に取り組みました(結果は下のチャートで確認できます)。

エクスポージャチャートの各カラー帯は、それぞれのベンチマークへの過去のアロケーションを表しており、すべてのエクスポージャは合計100%になります。このようなポートフォリオは、インサンプルではありますが大学基金の複製と見なすことができます。プライベートエクイティのアロケーションが増加し、債券のアロケーションが減少するという注目すべき傾向が見られます。

次に、ペンシルバニア大学基金の累積パフォーマンスと我々がインデックスで複製したポートフォリオを比較すると、2つのリターンシリーズに密接な相関関係が存在します。以下に示すように、実際のリターンを綿密に追跡するスタイルポートフォリオは、公的年金(Brinson他)と同様、アセットアロケーションが規模と変動性の両方において、大学基金のリターンの主要な部分を定量的に説明しています。これは、アナリストにリターンとリスクの定量的結果を十分に調査する自信を与える上で重要です。

同様に、我々のアロケーションの推定とペンシルバニア大学の公表したアセットアロケーションを比較します。以下に示すように、我々のモデルは債券とキャッシュが減少していく傾向と、プライベートエクイティのアロケーションの段階的な増加を非常に正確に捉えました。年次リターンからDSAを使って生成されたエクスポージャと公表されたアロケーションを比較する場合、(たとえば)エクイティにフォーカスを当てたヘッジファンドとエクイティ(米国と海外の両方)と債券の間にはかなりの重複があることに留意する必要があります。ネットロングのオルタナティブ戦略は、エクイティ/債券のブレンドのような動きをする可能性があります。

トラッキングポートフォリオに高い信頼をおいて、我々はその保有内容からの寄与度を分析しました。具体的には、流動性の低い(プライベート資産と実物資産)戦略と流動性の低い(ヘッジファンド)戦略の合計が約60%(56.7%)です(ペンシルバニア大学の2020年度年次報告書によると、昨年これらは70%でした)。

プライベートアセットは、2021年のパフォーマンス全体の最大の推進力であるように見え、トラッキングスタイルのポートフォリオで31%のウェイトを占め44% 1)寄与度チャートに示されている値は、複製ポートフォリオの総収益に対する寄与度が41%であることを示しています。プライベートアセットは41%のうち18%、つまり総収益の44%を占めています(PE、18.3%/FY2021、41.1%)のリターンを生み出しました。ポートフォリオに存在する他の戦略のほとんどは、そのウェイトに見合ったリターンを生み出しましたが、天然資源、ヘッジファンド、および債券(特に)のリターンは期待に及びませんでした。

プライベートアセットの強力なパフォーマンスは、ペンシルバニア大学のパフォーマンスの主要な推進力として機能しているように見え、その傾向が複数年にわたり続いています。ペンシルバニア大学は205億ドルの、パブリックアセットとプライベートアセットの両方で十分に分散されており、PEのパフォーマンスが年々大きく寄与しているにもかかわらず、ここまでマネージャー選択(セレクション)の「痕跡」をほとんど残していません(上のグラフの「セレクション」項目)。これは、ペンシルバニア大学基金チームが将来アロケーションを計画する際に重要な情報になる可能性があります。今後、新しいデータが入ってくるので、これが昨年のブラウン大学のような外れ値であるのか​​、それともすべてのアイビー大学のアセットアロケーションの決定が「ぴったり」である分散の年になるのか興味深いでしょう。

各大学基金の結果を調べるとき、プライベートエクイティとベンチャーキャピタルがポートフォリオ全体に与えた効果を見ていきます。また、非流動資産とエクイティスリーブ(資本融資)の両方の拡大によってもたらされる実際のポートフォリオリスクの増加に大学基金が将来どのように対処するかを確認します。これは、21年度のこれらのアセットクラスの非常に好調なパフォーマンスの自然な結果です。

 

ディスクレーマー: MPIはパフォーマンスベースの分析を行っており、公開されているファンド情報以外の投資戦略のクオリティあるいはメリットに関してコメントは行いません。また当該ファンドの実際の投資戦略、ポジションあるいは保有情報を知ることを要求したり示唆するものではありません。この分析は、ファンドのリターンのみを使っており、実際の保有情報は反映しておりません。あらゆる定量分析に固有の分析と実際の保有、また/あるいはファンドによる投資決定との乖離が予想されます。本レポートは、MPIが信頼できると判断した情報源から入手した情報をもとに作成しておりますが、当該情報の正確性を保証するものではありません。情報提供を目的としたものであり、本ファンドの勧誘のために作成されたものではありません。

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脚注   [ + ]

1. 寄与度チャートに示されている値は、複製ポートフォリオの総収益に対する寄与度が41%であることを示しています。プライベートアセットは41%のうち18%、つまり総収益の44%を占めています