あなたが保有している株式ファンドのCash比率を考えたことがありますか


新型コロナウイルスの感染拡大を受け世界経済の先行き不透明感が高まる中、世界の株式市場は大きく下落しています。特に株式市場が高いボラティリティに直面している場合、投資家は、リスクを回避しようと行動します。ただし、ほとんどのミューチュアルファンドマネジャーにとって、コアアセットの大幅な売却またはヘッジは、通常マンデートの規定外であるため、認められません。市場のボラティリティが2月と3月に急上昇したため(上記チャートのVIX指数を参照)、米国ラージキャップミューチュアルファンドのほとんどは、ほぼフルインベストメントされたままであり、過去1か月半でポートフォリオが-10%から-30%減少しているものと思われます。(S&P500インデックスは‐16%) 1)ファンドデータのソース:Morningstar 447本のミューチュアルファンドには、AUMが5億ドル以上の大型グロース、ブレンド、およびバリューカテゴリのインデックスファンドを除くすべてのファンドが含まれます。


ただし、Akre Focus Instl(AKRIX)などの一部のファンドは、2019年12月時点でかなりの金額のCash(18%)を保有していることがわかっていたため 2)この情報やその他のファンド保有情報は、モーニングスターまたはファンドのウェブサイトから取得されています。、このファンドの損失が他の米国ラージキャップミューチュアルファンド446本(AUM> 5億ドル)より少ないという事実は驚くことではありません。ピアグループ内のファンドが2月または3月にキャッシュのエクスポージャを増加させたか、あるいはヘッジしたかどうかは、後に運用報告書が送られてくるため現時点では我々はわかりません。ましてや投資家は知る由もありません。ファンドは四半期ごとにポジションを報告する必要がありますが、毎月報告するのは一部のため、この期間のアロケーションの短期的な動的な変化は反映されません。

投資家にとって朗報は、ミューチュアルファンドが毎日のNAVを公表することです。これを使用して、セクター、スタイル、キャッシュ配分など、ファンドマネージャーの「マクロ」の動きを日々透明化することができます。以下では、スタイラスプロの動的スタイル分析(DSA)機能とファンドの日次データを使用し、マーケットが非常に不安定なこの3月上旬から中旬に米国の株式ミューチュアルファンドがマーケットエクスポージャを大幅に減らしたかどうかを検証します。日次データを使ったDSA分析は、ファンドの短期間のアロケーションの変化を捉えることの重要性を示しています。

米国のアクティブ・ラージキャップ株式ファンド447本のユニバースを、下の散布図において、各ファンドのキャッシュエクスポージャの推定増加率%(Y軸)と各ファンドの純資産総額(X軸)を示しています。チャート上の各点は、ユニバースのファンドを表しています。ファンドがY軸の0より上に表示される場合、年初来のキャッシュエクスポージャがY座標の量だけ増加しています。同様に、軸より下の点については、Y座標の量だけキャッシュエクスポージャが減少しています。5%以上大きな変化のあるファンドはオレンジ色で強調表示されています 3)Cashエクスポージャは推定であり、特定のケースでは実際のCashまたは債券のポジションの増加に直接結び付かない場合がありますが、むしろ株式の防御性またはデリバティブの使用を反映していることに注意してください。


当然のことながら、我々はほとんどのファンドが期間中にCashエクスポージャを増加させたと推定します。しかし、キャッシュエクスポージャが大幅に減少したファンドがいくつかあります。1つの例は、以下のチャートに示す純資産25億ドルの株式インカムファンドです(Cashのエクスポージャは緑色で示されています)。ファンドのディスクロージャーでは2019年末時点で29%のCashポジションが示されているため、我々のチャートのCash推定はかなり正確です。3月13日の時点で、ファンドは我々の推定によるとフルインベストメントされています。


注目すべきは、ファンドの前回のポートフォリオディスクロージャーによると、期日の異なるS&P500インデックスのコールオプションを売っていたということです。よって市場で実際に再投資したというよりは、デリバティブアカウンティングの産物ではないかと考えられます。

下のチャートの純資産210億ドルのグロース株式ファンドは、2月末から3月末にかけてCashエクスポージャを増加させたファンドの一例です。市場が不安定な時期に賢明な投資先と思われる、ディフェンシブセクター(ユーティリティ、ヘルスケア、コンシューマー・ステープルズ)へのエクスポージャが増加していることに注目してください。


言うまでもなく現在のように変動の激しい時には、ポートフォリオ内のファンドのリスク・エクスポージャに関して可能な限り透明性を確保することが賢明です。数ヶ月経ってからファンドのポートフォリオの変化を発見するよりも、頻繁にエクスポージャの推定を調べることにより、投資家、コンサルタント、およびアドバイザーのアロケーションの決定とリスク管理の判断に役立ちます。

上記レポートの米国株式ファンドをの分析を国内株式一般型のユニバースに置き換えて分析を行ってみました。

  • ユニバース条件: 国内株式一般型に国際株式型のひふみ投信、みのりの投信、さわかみファンドを追加
  • 純資産額 50億円以上(2020年2月基準)
  • 解約額(2020年2月基準)
  • トータルリターン(2019年12月2日~2020年3月13日 日次)
  • 分析方法:DSAによる日次分析




脚注   [ + ]

1. ファンドデータのソース:Morningstar 447本のミューチュアルファンドには、AUMが5億ドル以上の大型グロース、ブレンド、およびバリューカテゴリのインデックスファンドを除くすべてのファンドが含まれます。
2. この情報やその他のファンド保有情報は、モーニングスターまたはファンドのウェブサイトから取得されています。
3. Cashエクスポージャは推定であり、特定のケースでは実際のCashまたは債券のポジションの増加に直接結び付かない場合がありますが、むしろ株式の防御性またはデリバティブの使用を反映していることに注意してください。