2019年の PIMCO Income Fundのパズルを解く

米国債券ファンドの中でトップパフォーマンスを誇るPIMCO Income fund(2007年設定)は、直近9年間、同分類カテゴリーの中でたえず上位4分の1に入っていましたが、2019年に入り一転ベンチマークと同分類カテゴリーの両方を下回ってしまいました。今回我々はこのファンドのパフォーマンス経過を踏まえて、ファンドの保有情報を使用せず、リターン情報だけで複雑な債券ファンドの分析を行い、その方法を以下にご紹介します。

PIMCO Income Fund(ティッカー:PIMIX、機関投資家向けのシェアクラス)は、純資産額が米国で1,300億ドル、全世界では2,000億ドルを超える巨大な債券アクティブファンドです。モーニングスターによる5つ星の評価を得ており、PIMCOの最高投資責任者であるDan Ivascyn氏により運用されています。2007年4月に設定以来、パフォーマンスはほぼすべての債券ファンド(課税および非課税対象ファンド)を上回り、2019年11月までに年率8.2%のリターンを達成しました。下の図1に、モーニングスターデータにある米国ミューチュアルファンドのパフォーマンスとAUMを比較しています。PIMCO Incomeより純資産が多いのは、Vanguard Total Bond Market Index Fund(VBMFX)で、またPIMCO Incomeよりパフォーマンスが優れているファンドはその他3本あり、そのうち2つはPIMCOが運用しているものです。

図1:すべての米債券ファンドとPIMCO Income設定来のパフォーマンスとAUMの比較



モーニングスターでは、PIMCO Incomeをマルチセクター債券ファンドとして分類しています。ファンドリサーチャーによると、このカテゴリーの説明は以下のとおりです:

「米国債・米国社債・外国債券・ハイイールドデット証券など複数のセクターに含まれる多様なインカムゲインの獲得を目指します。これらのポートフォリオは通常、スタンダード&プアーズやムーディーズなどの大手評価機関によりBBレベル以下(投機的格付け)の格付けのものや無評価の債券資産を35%〜65%保有しています」

モーニングスターのマルチセクター債券カテゴリーには、3年以上のトラックレコードを持つファンドが108本あります 1)ピアグループにはアクティブおよび非アクティブ(償還済み)ファンドの両方が含まれ、商品ごとに1つのシェアクラスがあります。これらのファンドのうち79が現在有効です。。PIMCO Income Fundはピアグループと比較して過去9年間で驚くべき成績を上げました。下の図2のチャートは、ファンドの設定来からの年率パフォーマンスランク(黄色) 2)ファンドの設定月は2007年3月ですが、図2は2012年から2019年までのパフォーマンスを示しています。 をピアグループ(四分位の灰色の帯)とベンチマーク(青)と比較して示しています。図2では、2012年以降のファンドのパフォーマンスで、過去8年間のうち7年間で上位4分の1にランクされています。ただし、2019年の11月までのパフォーマンスは、ピアのほぼ90%を下回っています。

図2 年率パフォーマンスランク 対 ピアグループ





ポジションパズル

PIMCO Incomeの過去10年間の成功の裏には何があり、2019年に何が起こったのでしょうか? ファンドがNon Agency MBSに多額の投資を行い、デリバティブを多用していることは広く知られています。PIMCOモーニングスターからの開示情報、およびSECのEdgarの開示ファイルは、ファンドの保有情報、ポートフォリオの割り当て、期間、信用格付けなどの特性に関する詳細な情報を提供しています。しかし、だれが絶えず変化するポジションとデリバティブの内容をくみ取り、投資家や市場参加者にわかりやすく説明できるでしょうか? ファンドのパフォーマンスのどれくらいがモーゲージまたはエマージング市場のベットに起因するのでしょうか? ファンドのリスクエクスポージャは、ベンチマークや他のピアとどのように違っていたでしょうか?

それでは手始めに、モーニングスターの開示情報からファンドの最新保有情報を確認しましょう。

Portfolio Date 30-Sep-19
Equity Holdings 24
Bond Holdings 7,073
Other Holdings 473
% Assets in Top 10 Holdings -32
Reported Turnover % 472

モーニングスターやリサーチプロバイダーから提供された保有情報によると、ほぼすべてが先物かスワップに占められており、その数千にも及ぶ債券(そのうちいくつかは簡単に価格設定ができない)に対してスワップポジションをネッティングすることができません。上位10のデリバティブのポジションの合計はマイナス32%であり、またポートフォリオ全体が1年間に4.7回入替って(ターンオーバー472%)いることは、注目に値します。つまり断片的に開示される保有情報は役に立ちません。

過去30年にわたり、投資家はパフォーマンスデータの内容を理解し、ファンド会社から提供された情報とそのパフォーマンスを一致させるために、リターンベースの要因分析またはスタイル分析に依存してきました。隠された、または望ましくないエクスポージャを検出し、マネージャーのスキルを識別するためには、 実際のところリスクとポートフォリオの技術インフラに多額の投資をする意思がない限り、この手法がこのような検証を実行する唯一の方法です。リターンベースの手法は、内部コンプライアンスの専門家、運用会社の取締役会、さらには規制当局から採用が増えており、危険信号や潜在的な異常、意図しない「軌道修正」を警告します。このように幅広く受け入れられている主な理由は、これらの手法が客観的で非侵入型、拡張性があり、アセットクラスにとらわれず、比較的安価であることです。さらに、ファンドのポジション情報がなくてもさまざまな投資商品のポートフォリオ全体を分析することができ、正しく高い精度が適用されると、ファンドの長期および短期にわたるリターンの源泉を明らかにする効果的な方法を提供します。

リターンベースのツールは、長きにわたってグローバル株式ファンドの分析で主流でしたが、債券商品のデューデリジェンスでの使用と認知は、投資家にとって最大のメリットの分野であるにもかかわらずあまり普及していませんでした。

債券分析は、ファクターを慎重に選択することから始まります。ここでは、主要な債券市場のセクターを表すICE BofA / Merrill Lynch fixed incomeインデックスを選択します。また、このファンドのアセットクラスに対するエクスポージャは公表されているので、JPMorgan Emerging Market BondインデックスとMarkit iBoxx Non-agency RMBSインデックスもファクターとして追加します。次に、債券ファクター間の回帰分析における多重共線性の課題を緩和するために、すべてのファクターからトレジャリーを控除し(トレジャリーとのスプレッド)金利リスクを除去することにより、債券インデックスをクレジットリスクファクターに変換します 3)金利のプロキシである国債インデックスを差し引くことにより、スプレッド係数を作成しました。今後この予備分析を改良し、さらに要因を追加し、より高い頻度のデータを使用してファンドのエクスポージャの詳細を収集します。。そして、最も重要なのは、MPI独自の動的スタイル分析エンジン(「DSA」)を使用して、(a)ローリングウィンドウRBSA(RBSA:リターンベースのスタイル分析)から生じる多重共線性の問題を軽減し(b)急速に変化するポートフォリオのダイナミクス(高いターンオーバーに注意)をタイムリーかつ正確に捉えます。

図3に示す分析結果は、目論見書に示されたベンチマーク 4)複雑な債券戦略の適切なベンチマークについては多くの議論があります。比較的スタティックな従来の債券ユニバースのベンチマークであるBloomberg Barclays U.S. Aggregate Bondインデックスは中期債カテゴリー内のより一般的なコアボンドファンドのデフォルトベンチマークですが、ここではそれが適切かどうかや問題を解決することを目的としていません。であるBloomberg Barclays US Aggregate Bond インデックスと比較して、過去7年間 5)Markitインデックスの開始が2012年である為、分析期間が制限されています。のファンドの主要なリスクのエクスポージャを示しています。さまざまな色は、時間とともに変化する債券ファクター(リスクファクター・ベータと呼ばれることが多い)へのエクスポージャを表しています。分析の精度は非常に高く、決定係数は92%、MPIの予測される決定係数は86%です 6)MPI独自のcross-validation credibility metricは、機械学習アプリケーションで一般的に使用されます。このような高い数値は、ファンドのパフォーマンスがアウトオブサンプルであっても予測できることを意味します。。比較してみると、ファンドとベンチマークの決定係数はわずか10%であり、従来の債券ファンドのような投資を行っていないことを示しています 7)ディスクレーマー: MPIはパフォーマンスベースの分析を行っており、公開されているファンド情報以外の投資戦略のクオリティあるいはメリットに関してコメントは行いません。また当該ファンドの実際の投資戦略、ポジションあるいは保有情報を知ることを要求したり示唆するものではありません。この分析は、ファンドのリターンのみを使っており、実際の保有情報は反映しておりません。あらゆる定量分析に固有の分析と実際の保有、また/あるいはファンドによる投資決定との乖離が予想されます。本レポートは、MPIが信頼できると判断した情報源から入手した情報をもとに作成しておりますが、当該情報の正確性を保証するものではありません。情報提供を目的としたものであり、本ファンドの勧誘のために作成されたものではありません。

図3 動的リスクファクターエクスポージャ ファンド 対 ベンチマーク




ファンドのファクターベータは目論見書に示されたベンチマークとはまったく異なっています:

〇 Interest rates risk(金利リスク)のエクスポージャはベンチマークで大きな割合を占め、一方ファンドでは、約3分の1です 8)ブラックロックのこの調査によると、Bloomberg Barclays U.S. Aggregate Bond インデックスは現在、そのリターンの約80%を金利リスクから導き出しています。分析から、ファンドの全体的な現在の要因のエクスポージャのウェイトは2.4を上回り、金利は0.8未満です。

〇 Mortgagesのエクスポージャはベンチマークの2倍以上です

〇 Corporate creditおよびHigh Yieldに対する大きなエクスポージャはありません

〇 Non Agency MBSおよびEmg Market debtに対するエクスポージャが顕著にみられます

〇 Asset Backed に対するエクスポージャがあります 9)ABSへのエクスポージャは、ファンド会社が報告するよりも著しく高い。 ABS、エージェンシーMBS、およびNon Agency MBSの間の相関関係は、分析に影響を与えた可能性がある金利コンポーネントを削除した後でも高いままであることに言及する必要があります。さらに、ファンドのファクトシートによると、ポートフォリオはクレジットデフォルトスワップ(CDS)の16%を保有しており、これも影響を与える可能性があります。ファンドはまた、先進国の負債において重要なショートポジションを持っています。繰り返しますが、この分析はファンドの保有を反映していない可能性があります。同時に、より高い頻度のデータを使用して、今後の投稿でモデルを改良する予定です。

ファクターダイナミクス:

〇 2012年以降、Non Agency MBSのエクスポージャは減少していますが、ファンドの規模からみると、いまだ大きな影響があります 10)いくつかの推定によると、Non Agency RMBS市場の規模は400億ドルで、新規発行はほとんどありません。これは、危機前の約2兆ドルからの大幅な減少です。

〇 Mortgagesのエクスポージャが大幅に増加し、Interest ratesのエクスポージャの減少が見られますが、これはファンドマネージャーのIvascyn氏の最近のインタビューと一致しています

〇 2015年から16年以降、CorporatesとHigh Yield(クレジットリスク)のエクスポージャが減少しています

〇 リスクファクターのエクスポージャが増加したにもかかわらず、金利リスク(Interest rates)エクスポージャは低いままです。これは、マネージャーが金利リスクを積極的にヘッジしていることを意味します

〇 エクスポージャは比較的安定しており、分析の精度を物語っています。これは、公表された高いターンオーバー比率が、セクター内の取引なのかデリバティブ取引かのどちらかもしくは両方の可能性を意味します

図4のグラフは、ファンドの累積パフォーマンス(「Total」、黄色)と合成ファクターポートフォリオ(「Style」、緑色)およびベンチマーク(Bloomberg Barclay’s U.S. Aggregate Bond Index(青色)を比較しています。合成「Style」ポートフォリオ(緑色)は、図3に示すエクスポージャのウェイトから作成された実質的なトラッキングポートフォリオです 11)投資可能であるという仮定の下で、累積パフォーマンスを示しています。さらに、トレーディングコストを考慮していません。。これら2つのリターンの緊密なトラッキングは、図3に示されているファンドのパフォーマンスが動的なファクターエクスポージャによって十分に捉えられていることを示しています。

図4 ファンドの累積パフォーマンス 対 ファクター/スタイルポートフォリオ





パフォーマンス要因分析

優れたファクターモデルによって、ファンドのパフォーマンスの源泉を定量化することで要因分析を行います。上記で言及した保有ベースの要因分析を適切に行うには、ファンドの日々のポジション、日々のスワップ価格および複数の情報源から検証した債券価格や正確なネットのデリバティブポジションを提供する数百万ドルのインフラが必要になります。それでも、そのようなシステムは、さまざまな価格、保有、モデルのエラーにさらされているだけでなく、ポートフォリオに存在しないポジションに関する古いデータの問題にもさらされています。しかしながらリターンベースの要因分析は、ファンドとそのピアグループを独自に分析できるとともに費用対効果が高く、これを補完することができます。

下の図5のパフォーマンス要因チャートは、ファンドのパフォーマンスを図3の動的なヒストリカルエクスポージャにより得られた様々な債券ファクターに分解しています 12)通常要因分析で提供されるファクター間のクロス-プロダクトは含んでいません。。過去7年間のパフォーマンスの主な要素は、Non Agency MBSでした―これは、FNMAおよびGNMAによって保証されていないリスクの高いモーゲージです。PIMCO Income fundのパフォーマンスの主な源泉は、前述したNon Agency MBSに加えて、Emg Market Bonds、High Yield、Asset BackedなどBloomberg Barclay’s U.S. Aggregate Bond インデックスのユニバース外にあることがわかります。

図5 トータルリターンベースのパフォーマンス要因:2012-2019



ファンドとベンチマークのファクターに大きな違いがあることを考えると、PIMCO Income をマルチセクター債券のカテゴリーのファンドも含めて比較することは、より多くの洞察を得ることができます。そこで、まず当初の分析により得られた、パフォーマンスの主な要因であるNon Agency MBSファクターに焦点を当てます。図6は、ファンドのNon Agency MBSエクスポージャをピアのエクスポージャと比較しています(四分位の灰色部分)。興味深いことに、ファンドのNon Agency MBSのファクターベータは、時間の経過とともに50%以上減少しましたが(しかしまだカテゴリー内の他のファンドのほぼ2倍ある)、カテゴリーのファンドと比較するとまだ最上位近くに位置しています。しかし、Non Agency MBSセクターの市場規模は年々縮小しています。PIMCO Incomeの純資産の増加に対してファンドのエクスポージャはどれほど減少したのでしょうか? 13)PIMCO Income Fundの分析では、脚注8を参照してください。モーニングスターのアナリストのEric Jacobson氏のコメントでは:そのセクター(Non-agencyの住宅モーゲージ)は、年に10%から15%の割合で縮小していますが、ファンド自体は大部分が猛烈な勢いで成長しています。しかし、市場に大きな変化がなければ、Non-agencyのモーゲージセクターは縮小し続けます。我々は、マネージャがエクスポージャを望みどおりに大きく保つのに苦労した場合、PIMCOが新しい資金への戦略のクローズを検討することを望みますが、会社はそのオプションを検討する計画はありません。 ファンドのAUMは、同期間で10倍以上(全世界合計)増加し2,000億ドルになりました。我々の分析からも分かるように、ファンドのトータルパフォーマンスの約半分はこのセグメントのエクスポージャによるものです。

図6 ヒストリカルのノンエージェンシーMBSエクスポージャ 対 マルチセクター債券カテゴリーピアグループ



下記チャートの示すとおり2019年のファンドのパフォーマンスがピアグループとベンチマークに対してアンダーパフォーマンスであったことはすでに報告されています。以下のチャートが示すように、2019年9月現在、ファンドのリターンは11月まで6.63%でベンチマークを2%下回り、ピアの88%以下にランクされています。

図7 PIMCO Income Fundの年初来パフォーマンス



リターンベースのフレームワークは、ベンチマークに対する超過リターンのシステマティックな部分をファクターに対するものとベンチマークに起因するコンポーネントに分解することにより、ファンドのベンチマークに対する相対的なパフォーマンスを定量化する明晰な方法を提供します。そのような分析に必要なものはすべて図3の動的リスクファクターエクスポージャ(ファンド 対べンチマーク)示されています。図7に示すように、年初来(2019年11月まで)のパフォーマンスはPIMCO Income Fundの6.63%、Bloomberg Barclays U.S. Aggregate Bond インデックスの8.79%で超過リターンは-2.16%であり、最もパフォーマンスの悪い2つのセグメントであるMBS(6.2%)およびAsset Backed(4.3%)に対する過大なエクスポージャとInterest RatesとCorporatesの過小なエクスポージャがファンドの相対的なパフォーマンス低下の主な要因でした。また、Non Agency MBSは今年最高のパフォーマンスのセグメントの1つで(年初来17%)、ファンドのパフォーマンスに積極的に貢献していますが、その優位性は過去数年ほど顕著ではありませんでした 14)Markit iBoxx non-agency RMBSインデックスのリターンは、2012年1月から2019年11月の設定来から年率18.6%なのに対し、同期間のBBgBarc Aggregateインデックスでは2.9%です。。さらに、上記および脚注で説明したように、中長期間PIMCO Incomeのアウトパフォーマンスに貢献したNon Agency MBSのエクスポージャは縮小に向かいました。これは明らかに、ファンドのAUMの増加がエクスポージャの減少に関連しています。

図8 ファクター属性(ベンチマークに対する超過)





最終的な見解:従来のRBSAと複雑な債券ファンド

上記の分析ではMPIのDSA(動的スタイル分析)を採用していることを先に述べました。これは、顕著な共線性と戦うために設計された、真の動的モデルです。PIMCO Income のような制約のない「投資対象を限定しない」多数のファクターを含む分析では通常のローリングウィンドウ分析(RBSA)では意味のある結果を提供できません。 図9のグラフは、上記の分析と同じファクターやデータを使用して、従来の24か月ローリングウィンドウ分析(RBSA)を使用した結果を示しています(図3のDSA分析と比較して見てください)。 この従来の24か月のローリングウィンドウ分析の結果を見ると、ほとんどの実務家は2000億ドルのファンドのポートフォリオ内で月ごとに幅広く変動するエクスポージャは受け入れることは難しいでしょう。

図9 24か月のローリングウィンドウ分析(RBSA)



RBSAの結果が上記の図のような動きになる理由は、従来のRBSAが、特に「ローリングウィンドウ」で実行される場合、多重共線性に非常に敏感だからです。そして、ファンドのエクスポージャのダイナミクスを捉えるため、そのようなローリングウィンドウ回帰は、エクスポージャが各ウィンドウ内で一定であるというギミックに依存しています。また、ウィンドウベースの回帰を使用すると使用できるファクターの数も制限されます。対照的に、DSA分析ではファンドのヒストリカルデータを通じてさまざまなベータを想定しています。その意味でDSAモデルは真の動的モデルといえます。また、同時に過剰適合を防ぐことができ、ベータ模倣ポートフォリオのようなトレードにおいてもターンオーバーをコントロールします。そして、ベータにより近いフィット感とより現実的な動きの両方が得られます。

最後にお伝えしたいことは、”債券ファンドを分解することはそれほど難しくない“ということです。

・・・ファクターを見つけて適切なツールを使用しさえすれば。

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脚注   [ + ]

1. ピアグループにはアクティブおよび非アクティブ(償還済み)ファンドの両方が含まれ、商品ごとに1つのシェアクラスがあります。これらのファンドのうち79が現在有効です。
2. ファンドの設定月は2007年3月ですが、図2は2012年から2019年までのパフォーマンスを示しています。
3. 金利のプロキシである国債インデックスを差し引くことにより、スプレッド係数を作成しました。今後この予備分析を改良し、さらに要因を追加し、より高い頻度のデータを使用してファンドのエクスポージャの詳細を収集します。
4. 複雑な債券戦略の適切なベンチマークについては多くの議論があります。比較的スタティックな従来の債券ユニバースのベンチマークであるBloomberg Barclays U.S. Aggregate Bondインデックスは中期債カテゴリー内のより一般的なコアボンドファンドのデフォルトベンチマークですが、ここではそれが適切かどうかや問題を解決することを目的としていません。
5. Markitインデックスの開始が2012年である為、分析期間が制限されています。
6. MPI独自のcross-validation credibility metricは、機械学習アプリケーションで一般的に使用されます。このような高い数値は、ファンドのパフォーマンスがアウトオブサンプルであっても予測できることを意味します。
7. ディスクレーマー: MPIはパフォーマンスベースの分析を行っており、公開されているファンド情報以外の投資戦略のクオリティあるいはメリットに関してコメントは行いません。また当該ファンドの実際の投資戦略、ポジションあるいは保有情報を知ることを要求したり示唆するものではありません。この分析は、ファンドのリターンのみを使っており、実際の保有情報は反映しておりません。あらゆる定量分析に固有の分析と実際の保有、また/あるいはファンドによる投資決定との乖離が予想されます。本レポートは、MPIが信頼できると判断した情報源から入手した情報をもとに作成しておりますが、当該情報の正確性を保証するものではありません。情報提供を目的としたものであり、本ファンドの勧誘のために作成されたものではありません。
8. ブラックロックのこの調査によると、Bloomberg Barclays U.S. Aggregate Bond インデックスは現在、そのリターンの約80%を金利リスクから導き出しています。分析から、ファンドの全体的な現在の要因のエクスポージャのウェイトは2.4を上回り、金利は0.8未満です。
9. ABSへのエクスポージャは、ファンド会社が報告するよりも著しく高い。 ABS、エージェンシーMBS、およびNon Agency MBSの間の相関関係は、分析に影響を与えた可能性がある金利コンポーネントを削除した後でも高いままであることに言及する必要があります。さらに、ファンドのファクトシートによると、ポートフォリオはクレジットデフォルトスワップ(CDS)の16%を保有しており、これも影響を与える可能性があります。ファンドはまた、先進国の負債において重要なショートポジションを持っています。繰り返しますが、この分析はファンドの保有を反映していない可能性があります。同時に、より高い頻度のデータを使用して、今後の投稿でモデルを改良する予定です。
10. いくつかの推定によると、Non Agency RMBS市場の規模は400億ドルで、新規発行はほとんどありません。これは、危機前の約2兆ドルからの大幅な減少です。
11. 投資可能であるという仮定の下で、累積パフォーマンスを示しています。さらに、トレーディングコストを考慮していません。
12. 通常要因分析で提供されるファクター間のクロス-プロダクトは含んでいません。
13. PIMCO Income Fundの分析では、脚注8を参照してください。モーニングスターのアナリストのEric Jacobson氏のコメントでは:そのセクター(Non-agencyの住宅モーゲージ)は、年に10%から15%の割合で縮小していますが、ファンド自体は大部分が猛烈な勢いで成長しています。しかし、市場に大きな変化がなければ、Non-agencyのモーゲージセクターは縮小し続けます。我々は、マネージャがエクスポージャを望みどおりに大きく保つのに苦労した場合、PIMCOが新しい資金への戦略のクローズを検討することを望みますが、会社はそのオプションを検討する計画はありません。
14. Markit iBoxx non-agency RMBSインデックスのリターンは、2012年1月から2019年11月の設定来から年率18.6%なのに対し、同期間のBBgBarc Aggregateインデックスでは2.9%です。